沖縄が”貧困”といわれる変わらない事情

比嘉俊次

2021年05月02日 13:29

21年3月26日(金)の放送を最後に夕方ニュースを卒業しました。
97年10月、当時の「RBCエリアレポート」という番組からのスタートでした。

24年・・ホッとしているというのが正直な感想です。サラリーマンには重すぎる。

それより、兼務していた記者・ディレクターの仕事を卒業したことがさみしいかな。
それぞれの現場や丹念に調査している研究者からは多くを学ばせてもらいました。

経済担当が長かったこともあり、「沖縄の貧困」について、話すことが多くあり、「深刻だね」とか「ウチの田舎の方が苦しいよ」とかいろいろな意見がありました・・・。

では、ここ数年はブログよりもSNS(Twitter)中心ですが、恒例?の大型連休の「読み物」を・・・

まず経済の話なので、数字の根拠もなしに、自分の身の回りの「小話」や「感想」を”学説化”しないのが記者の原則です。。

「貧困」については半世紀ほど前までは文化的な理由で語られてきましたが、今は経済学がデータに基づく「貧困から抜け出せない要因」を洗い出しています。
そして、それに「資本の歴史」(投資や破壊、奪った側と奪われた側など)や社会的要因(分配率=利益の分け合いなど)が絡み合ってきます。

記者としては25年。県内外のいろんな場所を訪れ、話を聞いて、整理した「沖縄の貧困とは何か」をメモとして残しておきます。


【まずデータ(事実)を確認しましょう】
経済の話なのでデータが中心ですが、難しい話ではありません。見ればわかる!
絡み合い、溶けあっている社会の姿をキチンと見るために「データ」は集められています。

まず、”貧困”とは何か?一般には給与(年収)が低いことですね(私は「それだけではない」と思う。後で説明します)。
『厚労省 都道府県別賃金統計』
↑このデータを見ると、確かに沖縄は低所得ですが最下位ではありません。

「沖縄が最下位って言ってたのはなに?」と思う方もいるかもしれませんが、あれは「県民一人当たり」の所得です。
子どもや働いていない高齢者が多いと、分母が大きくなるので低下します。

「数字を読む」大切さを知ってもらうため、ちょっと本筋から離れます。

「1人当たり」に話を戻して、「全国平均の7割の所得」というと、すごく「取り残された」感がありますが、赤い点線が示す「平均」とは何か?このグラフで見てください。
『やっぱりグラフが分かりやすい!』

「平均=真ん中あたり」に思っている方が多いともいますが、「平均以上」は47都道府県のうち、9都府県ぐらいでしょうか(大阪でギリギリ平均?)。

大企業の経営者や芸能人などが集まる東京を除いた全国平均をだれか計算してくれないかな。
議論が数字を伴って、目標や計画が具体的になると思う。

日本は先進国の中でも「統計」や「データ分析」の地位が低い国だと思います。
「中央値」や「最大値」「偏差」などありますが、なんでも「全国平均」で済ませてしまう傾向が強い。

参考までに。沖縄県は国にどのくらい税金も納めていると思います?「意外!」ですぐには探せないと思いますよ。
http://grading.jpn.org/SRD430101.html#:~:text=%E6%9C%80%E4%B8%8A%E4%BD%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%811%E4%BD%8D,111%2C359%E7%99%BE%E4%B8%87%E5%86%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

どうでしょう。ちゃんとデータでみると景色が違うでしょ?
(ただし、20年度は新型コロナで主力の観光が落ち込んだのでだいぶ低下していると思います。所得税や法人税は国税ですので)

まあ、とはいえ一人当たりの所得が低い方であるのは確かです
専門的には年に10万円程度の所得差(つまり1か月あたり1万円以下)しかない県と比較検討することが多いんです。

私が行ったことがある県も多く、現地の記者や行政、学識者と話す機会がありましたが、ひと月に1万円の所得差もないのに、沖縄の方が生活が楽ではない、つまり”貧困”を感じたのも事実です。


【なぜだと思います?】
私は沖縄が抱える「変わらない課題」があると考えています。

例えば「住居費」の高さ。
分かりやすいグラフがちょっと古い(2013年)データしか探せず申し訳ありませんが
https://uub.jp/pdr/h/rent.html

大都市やその周辺部を除けばトップ級です。

「単位面積当たりの数字」は、ちょっとわかりにくいので、SUMOのデータをお借りして、まずは沖縄の家賃
https://suumo.jp/chintai/soba/okinawa/

沖縄の人的には「それで」って思うだけですよね。宮崎と比べてください。
家賃で見るべきはファミリーユースが多い2LDK、3LDKです。
https://suumo.jp/chintai/soba/miyazaki/

那覇は1.5~3万円程高いんです。これは沖縄への転勤者が最初に驚くことです。

沖縄の家賃は東京、大阪と比べると大したことないかもしれませんが、例えば、福岡市の東区と比べても・・・
https://suumo.jp/chintai/soba/okinawa/sc_naha/


【なぜ高い?】
まず小さな島なので需要と供給の関係で土地が高い
そして毎年、台風に襲われるためRC(鉄筋コンクリート)など構造を強くする必要があり建設コストも高い

そして全てに通じることですが「輸送費」です。

ネット通販で「全国送料無料」とあるのに、住所を「沖縄県」と入力して決済しようとすると「送料1.000円」が乗っかって来た経験があるのは私だけではないはず。

10年ほど前までは「北海道、沖縄と一部離島(小笠原など?)は送料別」とありましたが、今は「沖縄だけ」が増えましたね・・・。

東京と同じ値段で売っているものは、
「そりゃ運送業者や小売業者などが、その分をかぶっているんですよ」と取材中、何度聞いたことか。
「逆の言い方をすると、その分、業者の利益・労働者の給与が引かれている」ということも。

本島はまだいい。本島中南部の人が離島でガソリンを入れると驚くと思います。
もちろん、食料から家の建設費まですべてが割高になります。


【作るときにも、売るときにも】
生産活動にも影響します。例えば農作物の肥料、家畜の飼料などにも輸送費はかかります。

少し専門的な話をすると「小ロット問題」。これは船の大型化や混載(簡単に言うと輸送しやすい形に荷物をまとめることです)、飼料に関しては一括購入などの努力もあり改善はされてきましたが、輸送費が消えたわけではありません。

豚や牛、野菜を育てるのは小規模(規模の大きさは経済にとって大切な要素です)ということもあり高くつく。そしてそれを市場(主に東京)に出すにも輸送費がかかり、高くつく。

工場でも「なぜ鹿児島より高いんですか?」と聞いてもほぼ同じ答えです。
「資材に送料が乗っかるし、リードタイム(発注から納品までの時間。生産効率に関係します)も長いし・・・」


【変わらない課題】
貧困問題を「習慣」や「考え方」だけで片付けるのは誤っている、というのは今や経済分野の常識です。
かつて欧米人が「〇〇だから発展しない」と決めつけていた日本、中国、インドをはじめ、アジア全体が発展して、その誤りが現実に示されたからです。(むしろ「お金の力は文化や考え方を変えてしまう」と言えませんか?)。

きちんとデータを分析することで「なかなか発展できない地域」の共通点も見えてきました。
例えば「資源コスト(土地の価格、資材の調達費など)の高さ。市場へのアクセスの悪さ(運賃・ルート)」等々。

つまりこれって、昭和の頃は盛んに言われていた「島ちゃび(離島苦)」のことです。

地理的条件は変わりませんが、対策がないわけではありません。
でも、そのための分析も対策もこの10年ほど停滞していると思います。

もともと「隣県」との比較がしにくい・習慣がない(あまり意味もなく全国平均や東京と比べてしまい、鹿児島や宮崎などを見ない)ので、漠然とした話しかできていません。

沖縄には戦前鉄道がありましたが(この設定は今見ても素晴らしい)、戦後、アメリカ統治下では公共交通機関(というより県民生活全般)は重視されず、(向こうから見れば当たり前ですが)「アメリカ統治の維持」が最優先でした。

そして、残念なのは今も「県民生活の充実」は優先されていないと思います。

もう一度、住居のデータを見てください。沖縄は公営住宅が割高です。
https://uub.jp/pdr/h/rent.html
沖縄以上に小規模離島が多く、山がちで火山もある(=住宅適地が少ない)、長崎や鹿児島でも住居費は高めですが、公営住宅が割安なのは注目です。

さらに共同住宅(アパート・マンション)比率は全国4位。沖縄より上の東京・神奈川・大阪は車ナシで生活している人も多くいますが、沖縄では難しい。上で紹介した「高めの家賃」に加え、2台目、3台目用の駐車場代を払っている家庭も多いと思います。
http://www.btw-p.co.jp/common/pdf/03_ranking.pdf


【つまり!】
こうしたいくつかの事例で分かるように、沖縄は生活コストが高く、同程度の所得の県と比べても、自由に使えるお金(「可処分所得」といいます)が減る=豊かさを感じられない、というのが沖縄の『貧困』の正体だと思います。正しく原因を認識すれば打つ手も見えてくると思います。

【データで見えていない・農業のチカラ】
さらに、私はもっと社会的な要因にも注目すべきだと思います。

取材中、米穀業者に言われて衝撃だったのは、「日本全国のコメを普通にスーパーで売っているのは東京・大阪と沖縄ぐらいですよ」という一言です。
「えっ?どうゆうことですか?」
「フツーはそれぞれの地域で穫れるコメを食べてますから」と。
(「だから北海道はマツコまで使って沖縄でコメのCMしてるんだ・・・」)

確かに、地方に取材行くと「うちで取れたコメ」を何度かごちそうになったし、地方出身者は「田舎からコメ(や野菜も)が送られてくる」というのも珍しくない。

そして、日本の地方では兼業農家が珍しくありません(つまり収入源が2つある)。そして農業に定年はなく会社を定年後も農業で一定の収入があることが、先に紹介した「賃金」は最下位じゃないのに、「県民一人当たり所得」にすると最下位になるひとつの要因だと思います(あと、企業所得の低さ)。

また農家はまず自分たちで食べる分を確保するので、その分の出費も抑えられます。しかし、沖縄、特に本島中南部では都市部のように多くの方が食べるすべてのものを「購入」していると思います。
→さらに下段に追加データ

しかし!統計的には沖縄は「食」への支出が小さめです。これを見て「沖縄は食費が安い」という方がいますが、そうではないでしょう。
「食費を削っている」、というのが実感ではないでしょうか?

土や海といった「1次産業」から離れると絶対に必要な「食」の下支えがなくなり「所得減・出費増」となります
これもまた、同程度の所得の県と比べて「貧困」を感じさせる要因ではないかと私は思います。

⇒明治の文化人は欧米の言葉に適切な文字を当てて感心することが多いのですが、「貧困」も「貧しい」と「困っている」がセットです。
現金がなくても人は生きていけますが、住居と食の不足は生死に直結します。沖縄の「貧困」の本質が分かるかと思います。


【データで気付く。意外と!】
ところで”那覇”がどのくらい”街”になったか気づいていますか?

「那覇の人口、約30万人です」って言うと・・・
ちょっとデータを知っている方なら「あまり大きくない街だね」
しかし日本各地を実際に歩いている方なら「えっ?30万人しかいないの?」と言います。

一見逆の反応でも、共通点は「面積」のデータがない事。
海外の「都市を見る統計」で一般的な、人口密度が含まれたデータを見ると違います。
日本にもちゃんとデータはあります。左から人口、面積、人口密度。
『ちょっとレベルをあげた分析の入り口』

那覇の人口密度、全国60位・・・別に高くない?
いやいやその上にある市町村見てください。巨大都圏の市町村ばかりです!

さらに浦添市82位、宜野湾市98位。参考までに名古屋市は68位、福岡市は109位です。
言うまでもなく、本島中南部の人口は増え続けています。

もう一度、今度は面積を見てください
『ちょっとレベルをあげた分析の入り口』

東京や大阪を除けば100万都市の多くは沖縄の中南部と同程度、もしくはそれ以上の大きさがあります。
また日本では車で1時間圏内は一つの都市圏とみなされるので、本島中南部は一つの「120万都市」と言えます。

東西1,000Km、南北400Kmという広大な県域、しかし145万県民の8割が一つの都市圏(那覇都市圏)に住んでいる沖縄は人口重心がかなり偏っている、かなり特殊な構造の県なんです。

この都市の規模なら鉄道どころか、地下鉄があってもおかしくはないのですが、JRも安い”公営交通”もありません。

さらに掘り込んで考えなければいけないのは、沖縄は利用価値の高い平坦地に基地があること。

倉庫用地の不足も沖縄の深い課題ですが(これも輸送コストに跳ね返ります)港湾周辺の土地は?
”港”は良質な倉庫もセットでないと発展できません。


【勘違いしないでほしいのは】
私は「だからしょうがない」と開き直ったり、「〇〇が悪い」と責任転嫁するつもりはありません(偉大な先人も言っています。下段で紹介します)。

解決方法もあると思います。

土地がない場合はタテに積むのが基本です。ハワイのワイキキが美しいのは「建ぺい率」「容積率(ようせきりつ)」という建物の制限で街並みをコントロールしているからです。(参考→「沖縄建設論壇13巻」)

那覇と同じく、空港が近く高さ制限があった福岡市は変えました。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/shisei/20150226.html

また「利益は東京の会社が吸い上げている」という方もいますが、沖縄だけの課題ではありません。
それどころか、例えば九州だと東京・大阪の会社だけではなく、福岡の会社とも競合しています。
ぜひ地方に行った際にはコンビニにある「求人情報誌」を手に取り、売っているコメをて見てください。


【とはいえ】
東京市場でウチナーのゴーヤーはどうしたって千葉や埼玉産のゴーヤ価格で勝負はできません。
牛も「肥育(←調べてね。対義語は「繁殖」です)」が難しい(難しい理由も調べてみてください)。

だから輸送に有利な(精製後、腐らず重量当たりの単価が高い)サトウキビが大切で、だから(消費者が来てくれるので輸送費がかからない)観光に力を入れなければならないのです。
→サトウキビと他の農作物との関税も比較してみてください。そしてなぜ各国が「砂糖」を重視するかも。国際政治の世界です。

また輸送費がかからない「データ」で産業を興そうと、20年前からの取り組み、3万人ほどの雇用も生まれています。

また沖縄電力の送電エリアは広大で(電気の輸送にもコストはかかります)、小規模火力発電は高コストなので、「日本一電気料金が高い」といわれていましたが、その差は小さくなり、移転してきた工場もあります。

交通問題についても、ようやく・少しづつですがコミュニティバスが出てきました。
バス停や料金も考えなければいけませんが、120万都市として本島中南部の住民が「考え方」を変えることも必要です。
観光客がいなくても、県民が動けば渋滞することも、この一年で再確認されました。
原因を外に求めるだけでなく、私たち自身の課題もしっかり考えないと。

【そろそろ、まとめ】
まだまだ、「沖縄経済」について、知って欲しいことは色々ありますが、話がどこまでも広がってしまうので、話を「貧困」戻しましょう。

所得がさほど変わらない他県と比べて生活費が高い(離島はさらに高い)。「生活コスト」を下げて自由に使えるお金(可処分所得・かしょぶんしょとく)を増やす必要があるということです。

例えば、あと3~5万円程自由に使えるお金が増えたら、生活感はどう変わるでしょう?

また、所得配分の差も沖縄は大きいといわれています。

「言われています」というのはデータを教えてもらうことはありますが、詳細なデータは見たことがありません。しかし予感させるデータはあります。

県が発表している「市町村別所得統計」を探して。見てください。これも複数のデータを並べたり・重ねて(「クロスする」と言います)見ると、驚きます。
これは本当に面白いから自分で見つけて見てください。

サービス業は特に所得の配分差が大きくなりがちです。
「ウチの店舗は全国でもトップクラスの売上なのに、賃金は下の方。おかしい」といった声や「”管理職”と言っても給与もあまり変わらず、責任だけ大きくなって、上(経営層)との差が大きいのがイヤになる」という話を取材で何度か聞きました。

↑この点と先に紹介した”都市”であることは”貧困”を考えるうえで非常に重要なポイントです。
なぜなら、古い経済学では貧困とは収入の問題でしたが、人間にとって貧困とは比較の問題だからです。
当たり前の事なんですが、最近ようやく日が当たった分野ですのでネットで調べてみてください。

優れた研究者は、20年以上も前から沖縄のこうした労働や賃金の構造がやがて日本全国に広がることを予見し、それが労働意欲や経営にどう影響するかを注視してきました。
日本の経済的な停滞はいくら何でも「バブルの後遺症」というには長すぎるでしょう。

「豊かさとは何か?」とか、思想ベースの抽象的な議論ではなく、こうした問題をちゃんと検証する必要があると思います。客観的に、具体的に。

例えば「量から質へ」もスローガンとしては良いと思いますが。市場経済は「量」や「規模」で担保されている部分が以前よりむしろ広がっていると思います。
行き詰まりの目先を変えるために、安易なスローガンに乗ってしまうのは心配です(もちろん質を上げるのは超重要です。私が言いたいのは「長さと重さを比べてはいけない」ということです)。

繰り返しになりますが、部分的な「小話」に終始するのではなく、経済構造をいくらか見直し、分配を調整する必要があると思います(個人的には政権が検討しているといわれる最低賃金の引き上げに非常に興味があります)。

経済とはお金の流れの話。お金の流れは人の意識を巻き込みながら、つながっています。


【沖縄は沖縄】
大都市並みの人口密度と生活コスト、公的サービスの遅れ、再分配の問題(賃金格差)という問題が「変わらずにある」ことをご理解いただけたと思います。

「沖縄の発展」というと、シンガポール(と以前は香港)との比較が沖縄ではよくされてきました。
シンガポールは「開発独裁」ともいわれる手法で、私が訪れた5年前は、すでに世界有数の港があるのに「倍にする」と埋め立てをしていました。

そこと肩を並べようなんて現実的なんでしょうか?私たちが望むところでしょうか?
自然や文化、水など、シンガポールや香港に自慢できる部分をいくつか上げるのは簡単です。

参考までにシンガポールも香港も、「住宅供給」「交通網の整備」は行政の重要課題で、行政報には「今年度の住宅供給〇万個予定。相場の安定に努めます」などとあります。

「交通問題の解決」は道を作るだけでなく、公共交通機関の話が中心です。
「島」として見習うなら、まずそこではないでしょうか?

【この先は?】
いろいろ課題はありますが、沖縄の未来は明るいと思います。
気休めではありません。現実に基づいた予測です。

沖縄はに人間に一番必要な海と太陽が無限と言えるほどあり(近い将来、送電コスト無しのエネルギーに代わる可能性も!)、なにより一番大切な”ヒト”が増えている!多様性を受け止める力もある。

客観的に見て沖縄の貧困の原因は”根深い”とまでは言えず、正しく対処すれば解決できるものだと思います。航空燃油税の低減後、観光客が増えたように。


【最後に】
県外の人にいつも自慢しているのは全国展開している大手スーパーの沖縄統括者の一言。
2011年の東日本大震災の後、設置された募金箱について「沖縄の募金額の多さに、驚いている」という言葉。

お金を稼ぐことも大切ですが、「お金の力」に負けず、この考え方はしっかり残していくのはさらに大切な事だと思います。



【さらに興味ある方へ】
◇復帰50周年も近いので・・・「屋良朝苗復帰式典での挨拶」抜粋
「沖縄県民にとって、復帰は強い願望であり、正しい要求でありました。また、復帰とは、沖縄県民にとってみずからの運命を開拓し、歴史を創造する世紀の大事業でもあります。その意味におきまして、私ども自体が先ず自主主体性を堅持してこれらの問題の解決に対処し、一方においては、沖縄がその歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除して県民福祉の確立を至上の目的とし、平和で、いまより豊かでより安定した、希望のもてる新しい県づくりに全力をあげる決意であります。」
→全文はhttps://www.archives.pref.okinawa.jp/news/that_day/4557
 RBCに音声が残っていますが、少し違うような・・・直前に原稿に鉛筆入れたのでしょうか?

◇『貧困の終焉』 J.サックス
今回は都道府県ごとのデータを使っていますが、那覇と大東島、札幌と礼文島、京都市内と舞鶴の経済構造が違うように「地域」で考えるのが言うまでもなく基本です。その社会経済分析の基本的な考え方が記されています。

◇『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 M.ウェーバー
よく引用、無意識孫引きされている考え方ですが、ちゃんと読めば拡大解釈されてしまっていることが分かります。ウェーバーはかなり慎重に言葉を選んでいます。


◇福岡市の『天神ビックバン』。政令指定都市の福岡市は「県」並みの権限があり、那覇市と比べてはいけません。
ポイントは、下にあるトライアングルの構図です。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/shisei/20150226.html

◇沖縄はいろいろ極端ですが住宅はやはり・・・(↓ 大きなデータですのでパソコンで開いて下さい)
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf

◇コメの「消費量」と紹介されることが多いのですが、実際には「購入量」です
https://todo-ran.com/t/kiji/11798
「おコメどころ」でも都市が大きい所は購入量が多いのが面白いですね。
→沖縄の農業産出額や土地利用統計(農地面積の推移)などを参照

◇10年ほど前ですが「観光客が1000万人来たら水が不足する」と大真面目に言う方がいました。
しかし、近年断水はありません。ダムはいくらか増えたこともありますが、単純に「数え方」の問題でもあります。
ヒント:「一日あたり」「水源」「用途分類」・・・水一つとっても”簡単”ではなく、いくつものデータが必要なんです

◇よく引き合いに出される「一人当たり県民所得」の”最新”のデータ”をご存じでしょうか?数字だけではない”統計”が見えてきます。

◇国税とは何か?税も種類があり、見えるものが違うんです。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a01.htm

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