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2022年03月21日

「日本語上手ね」から気付いたこと

「私は昭和47年、1972年の11月生まれです」と
沖縄で昭和生まれの方にそう話すと「おっ、復帰っ子か」とレアキャラ扱いですが、
「いえ、復帰おじさんです」と返すのが10年前からの私の持ちネタです。

今年で50歳になる。
少なくとも平成生まれから見たら「子」は違和感を覚えると思うので「おじさん」は妥当。

50年。ありきたりだけど、本人にとってはあっという間だったが、西暦2000年で考えると40分の1を経験してきたことになる・・・計算上ね。そう考えると短くはない。

50年でいろんな”事件”もありましたが、また1年ぶりの更新なのでそのうち特に衝撃を受けた一つを―

私がRBCに入社したのは96年。2000年に出張先の北陸で自分の意識を変える大事件がありました。
予約していた小さな家族経営のようなホテルに夜8時前に到着すると70代ほどと思われる女性が出迎えてくれました。この時間に、近くで食事できる所はあるか、おすすめの食事は何かなど雑談しながら宿泊名簿を記入して提出すると、この方が私の住所を見て「あら、あなた沖縄来たの?日本語上手ね」と言いました。
驚きました。90年代前半には安室奈美恵さんら「アクターズ」がまさに時代そのものを席巻し、まだネットは普及してなかったけどTV・雑誌で「沖縄特集」が次々と組まれて沖縄に対する認知度が急速に向上してから数年後、なにより復帰からすでに28年が経過した中での一言でした。
返す言葉が出なかった。絶句してしまいました。そして「高齢とはいえ、あまりに情報不足でしょ・・」と思いました。復帰前に本土に行った方はよく「沖縄は日本語を話しているのか?」と聞かれたそうですが、まさか自分が2000年にそんなことを言われるとは・・・

しかし!なのです。私はそこに1週間滞在して取材をしていましたが、その女性が沖縄を知らないのと同じように、自分がその県のことを全く知らないことに気づかされました。その県の歴史・文化・産業から特産品や生活様式まで、ほとんど知らなかったことを思い知りました。
例えば東京や沖縄では流しているタクシーを見かけて手を挙げると停車して乗せてくれますが、北陸ではタクシーは電話で呼ぶのが基本。道端で手を挙げても止まりません(大阪で働いたことがある運転手さんが止まってくれて教えてくれました)。

【どこにでもある話】
その後もあちこちの県や、いくつかの国に取材で行くチャンスがありましたが、どこも同じような驚きがありました。原発や火山と暮らす町、雪かきが生死にかかわる村、海外でも周囲を確認してから話さないといけない国など。そしてその地域の人たちは、TVの「ケンミンショー」のように呆れ顔でこう言います「そんなことも知らなかったの?」と。
地域によって、暮らしによって「常識と呼ばれる知識」がこんなに違うとは驚きでした。とてもいい体験でした。

沖縄にいると「本土の人は5.15も6.23も知らないのか!」と思ってしまいますが、私たちも「8月6日と9日」がどっちか分からなかったりします。

【もっとショックだったのは「内」】
しかし本当に衝撃だったのは「外」より「内」の方です。県内の多くの離島に行きましたが、普段の暮らしぶりから先島の首里城に対する意識、「離島の離島」と呼ばれる島の商店の棚、大東島で見た太平洋の荒波から生まれる信じられないほど巨大な波頭まで・・・今や国内有数の120万人の都市圏である本島中南部で暮らす自分がいかに「偏った沖縄」しか知らないかを気付かされました。
そして「本土の人は沖縄を知らない」と一方的に思っていた自分がいかに不遜で、同じ”沖縄県民”の暮らしに無関心であったかを思い知らされる記者生活でした。

「あなた日本語上手ね」的な部分は誰にでもあると思います。「だから取材に来ました」が基本の記者でも、現場に行って「ここだけの話」や「大きな声では言えないけれど・・・」という話を聞いて、データを見直すと思い込みに取りつかれていたことに気づくこともしばしば。


【最後に】
今年は復帰50年でもあります。本島中南部に住む多くの県民には石垣や西表の山の美しさや迫力あるサキシマスオウの板根(ばんこん)、宮古の東平安名崎で見る地球の丸さや伊良部島から見る与那覇前浜の輝き、久米島の湿地や国頭東海岸の壮大な海岸線など県内でも見て欲しい所、そして地元の人と話して欲しいことはいっぱいありますが、県外なら宮崎の西都原考古博物館。
宮崎・西都原(さいとばる)考古博物館

チャンスがあればぜひ!
西都原(さいとばる)と読みます。そう「ばる」は沖縄だけではありません。

九州南部や東国がまだ大和の支配下にはいる前、「熊襲(くまそ)・隼人(はやと)」がいました(その呼び名に対する批判もあります)。

この博物館ではその歴史に触れ、「隼人舞」や、たしか「犬吠え(いぬぼえ)」についても触れていたかと思います。

驚きました。「日本史」では東国や南九州の古代史(と言っても8世紀ごろの話で世界史的には中国・唐とアッバース朝が中央アジアで戦っていたような時代です)は紹介されることは少ないのですが、こんな充実した博物館があるとは!

しかも、知られていない。
実は西都原には多くの古墳があり、私もそれを見に行った時にこの博物館の存在を知りました。

宮崎は「隼人」の歴史があり、島津氏との関係、福岡や熊本などの経済力のある近県の影響も大きく、「南国・宮崎」と観光に活路を見出したところに「亜熱帯の島・沖縄」が登場しという歴史です。

宮崎市から車で1時間かかりません。レンタカーの運転も無図解しところではありません。
そうそう、博物館に行く前にまず宮崎市内のコンビニで求人誌ももらって見てください。

新聞を見てもなんか「通じる」ものを感じます
https://www.the-miyanichi.co.jp/kuroshio/_60556.html

最後に復帰50周年も近いので、「屋良朝苗復帰式典での挨拶」を再掲します、
「ごく一部抜粋」が多いのですが、50年後を生きる私たちへの叱咤と期待があります。
おそらくこの先の沖縄の困難を見通しての上だと思いますが、その期待に応えられているのか、考えずにはいられませんね。
「沖縄県民にとって、復帰は強い願望であり、正しい要求でありました。また、復帰とは、沖縄県民にとってみずからの運命を開拓し、歴史を創造する世紀の大事業でもあります。その意味におきまして、私ども自体が先ず自主主体性を堅持してこれらの問題の解決に対処し、一方においては、沖縄がその歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除して県民福祉の確立を至上の目的とし、平和で、いまより豊かでより安定した、希望のもてる新しい県づくりに全力をあげる決意であります。」
  


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2021年05月02日

沖縄が”貧困”といわれる変わらない事情

21年3月26日(金)の放送を最後に夕方ニュースを卒業しました。
97年10月、当時の「RBCエリアレポート」という番組からのスタートでした。

24年・・ホッとしているというのが正直な感想です。サラリーマンには重すぎる。

それより、兼務していた記者・ディレクターの仕事を卒業したことがさみしいかな。
それぞれの現場や丹念に調査している研究者からは多くを学ばせてもらいました。

経済担当が長かったこともあり、「沖縄の貧困」について、話すことが多くあり、「深刻だね」とか「ウチの田舎の方が苦しいよ」とかいろいろな意見がありました・・・。

では、ここ数年はブログよりもSNS(Twitter)中心ですが、恒例?の大型連休の「読み物」を・・・

まず経済の話なので、数字の根拠もなしに、自分の身の回りの「小話」や「感想」を”学説化”しないのが記者の原則です。。

「貧困」については半世紀ほど前までは文化的な理由で語られてきましたが、今は経済学がデータに基づく「貧困から抜け出せない要因」を洗い出しています。
そして、それに「資本の歴史」(投資や破壊、奪った側と奪われた側など)や社会的要因(分配率=利益の分け合いなど)が絡み合ってきます。

記者としては25年。県内外のいろんな場所を訪れ、話を聞いて、整理した「沖縄の貧困とは何か」をメモとして残しておきます。


【まずデータ(事実)を確認しましょう】
経済の話なのでデータが中心ですが、難しい話ではありません。見ればわかる!
絡み合い、溶けあっている社会の姿をキチンと見るために「データ」は集められています。

まず、”貧困”とは何か?一般には給与(年収)が低いことですね(私は「それだけではない」と思う。後で説明します)。
↑このデータを見ると、確かに沖縄は低所得ですが最下位ではありません。

「沖縄が最下位って言ってたのはなに?」と思う方もいるかもしれませんが、あれは「県民一人当たり」の所得です。
子どもや働いていない高齢者が多いと、分母が大きくなるので低下します。

「数字を読む」大切さを知ってもらうため、ちょっと本筋から離れます。

「1人当たり」に話を戻して、「全国平均の7割の所得」というと、すごく「取り残された」感がありますが、赤い点線が示す「平均」とは何か?このグラフで見てください。

「平均=真ん中あたり」に思っている方が多いともいますが、「平均以上」は47都道府県のうち、9都府県ぐらいでしょうか(大阪でギリギリ平均?)。

大企業の経営者や芸能人などが集まる東京を除いた全国平均をだれか計算してくれないかな。
議論が数字を伴って、目標や計画が具体的になると思う。

日本は先進国の中でも「統計」や「データ分析」の地位が低い国だと思います。
「中央値」や「最大値」「偏差」などありますが、なんでも「全国平均」で済ませてしまう傾向が強い。

参考までに。沖縄県は国にどのくらい税金も納めていると思います?「意外!」ですぐには探せないと思いますよ。
http://grading.jpn.org/SRD430101.html#:~:text=%E6%9C%80%E4%B8%8A%E4%BD%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%811%E4%BD%8D,111%2C359%E7%99%BE%E4%B8%87%E5%86%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

どうでしょう。ちゃんとデータでみると景色が違うでしょ?
(ただし、20年度は新型コロナで主力の観光が落ち込んだのでだいぶ低下していると思います。所得税や法人税は国税ですので)

まあ、とはいえ一人当たりの所得が低い方であるのは確かです
専門的には年に10万円程度の所得差(つまり1か月あたり1万円以下)しかない県と比較検討することが多いんです。

私が行ったことがある県も多く、現地の記者や行政、学識者と話す機会がありましたが、ひと月に1万円の所得差もないのに、沖縄の方が生活が楽ではない、つまり”貧困”を感じたのも事実です。


【なぜだと思います?】
私は沖縄が抱える「変わらない課題」があると考えています。

例えば「住居費」の高さ。
分かりやすいグラフがちょっと古い(2013年)データしか探せず申し訳ありませんが
https://uub.jp/pdr/h/rent.html

大都市やその周辺部を除けばトップ級です。

「単位面積当たりの数字」は、ちょっとわかりにくいので、SUMOのデータをお借りして、まずは沖縄の家賃
https://suumo.jp/chintai/soba/okinawa/

沖縄の人的には「それで」って思うだけですよね。宮崎と比べてください。
家賃で見るべきはファミリーユースが多い2LDK、3LDKです。
https://suumo.jp/chintai/soba/miyazaki/

那覇は1.5~3万円程高いんです。これは沖縄への転勤者が最初に驚くことです。

沖縄の家賃は東京、大阪と比べると大したことないかもしれませんが、例えば、福岡市の東区と比べても・・・
https://suumo.jp/chintai/soba/okinawa/sc_naha/


【なぜ高い?】
まず小さな島なので需要と供給の関係で土地が高い
そして毎年、台風に襲われるためRC(鉄筋コンクリート)など構造を強くする必要があり建設コストも高い

そして全てに通じることですが「輸送費」です。

ネット通販で「全国送料無料」とあるのに、住所を「沖縄県」と入力して決済しようとすると「送料1.000円」が乗っかって来た経験があるのは私だけではないはず。

10年ほど前までは「北海道、沖縄と一部離島(小笠原など?)は送料別」とありましたが、今は「沖縄だけ」が増えましたね・・・。

東京と同じ値段で売っているものは、
「そりゃ運送業者や小売業者などが、その分をかぶっているんですよ」と取材中、何度聞いたことか。
「逆の言い方をすると、その分、業者の利益・労働者の給与が引かれている」ということも。

本島はまだいい。本島中南部の人が離島でガソリンを入れると驚くと思います。
もちろん、食料から家の建設費まですべてが割高になります。


【作るときにも、売るときにも】
生産活動にも影響します。例えば農作物の肥料、家畜の飼料などにも輸送費はかかります。

少し専門的な話をすると「小ロット問題」。これは船の大型化や混載(簡単に言うと輸送しやすい形に荷物をまとめることです)、飼料に関しては一括購入などの努力もあり改善はされてきましたが、輸送費が消えたわけではありません。

豚や牛、野菜を育てるのは小規模(規模の大きさは経済にとって大切な要素です)ということもあり高くつく。そしてそれを市場(主に東京)に出すにも輸送費がかかり、高くつく。

工場でも「なぜ鹿児島より高いんですか?」と聞いてもほぼ同じ答えです。
「資材に送料が乗っかるし、リードタイム(発注から納品までの時間。生産効率に関係します)も長いし・・・」


【変わらない課題】
貧困問題を「習慣」や「考え方」だけで片付けるのは誤っている、というのは今や経済分野の常識です。
かつて欧米人が「〇〇だから発展しない」と決めつけていた日本、中国、インドをはじめ、アジア全体が発展して、その誤りが現実に示されたからです。(むしろ「お金の力は文化や考え方を変えてしまう」と言えませんか?)。

きちんとデータを分析することで「なかなか発展できない地域」の共通点も見えてきました。
例えば「資源コスト(土地の価格、資材の調達費など)の高さ。市場へのアクセスの悪さ(運賃・ルート)」等々。

つまりこれって、昭和の頃は盛んに言われていた「島ちゃび(離島苦)」のことです。

地理的条件は変わりませんが、対策がないわけではありません。
でも、そのための分析も対策もこの10年ほど停滞していると思います。

もともと「隣県」との比較がしにくい・習慣がない(あまり意味もなく全国平均や東京と比べてしまい、鹿児島や宮崎などを見ない)ので、漠然とした話しかできていません。

沖縄には戦前鉄道がありましたが(この設定は今見ても素晴らしい)、戦後、アメリカ統治下では公共交通機関(というより県民生活全般)は重視されず、(向こうから見れば当たり前ですが)「アメリカ統治の維持」が最優先でした。

そして、残念なのは今も「県民生活の充実」は優先されていないと思います。

もう一度、住居のデータを見てください。沖縄は公営住宅が割高です。
https://uub.jp/pdr/h/rent.html
沖縄以上に小規模離島が多く、山がちで火山もある(=住宅適地が少ない)、長崎や鹿児島でも住居費は高めですが、公営住宅が割安なのは注目です。

さらに共同住宅(アパート・マンション)比率は全国4位。沖縄より上の東京・神奈川・大阪は車ナシで生活している人も多くいますが、沖縄では難しい。上で紹介した「高めの家賃」に加え、2台目、3台目用の駐車場代を払っている家庭も多いと思います。
http://www.btw-p.co.jp/common/pdf/03_ranking.pdf


【つまり!】
こうしたいくつかの事例で分かるように、沖縄は生活コストが高く、同程度の所得の県と比べても、自由に使えるお金(「可処分所得」といいます)が減る=豊かさを感じられない、というのが沖縄の『貧困』の正体だと思います。正しく原因を認識すれば打つ手も見えてくると思います。

【データで見えていない・農業のチカラ】
さらに、私はもっと社会的な要因にも注目すべきだと思います。

取材中、米穀業者に言われて衝撃だったのは、「日本全国のコメを普通にスーパーで売っているのは東京・大阪と沖縄ぐらいですよ」という一言です。
「えっ?どうゆうことですか?」
「フツーはそれぞれの地域で穫れるコメを食べてますから」と。
(「だから北海道はマツコまで使って沖縄でコメのCMしてるんだ・・・」)

確かに、地方に取材行くと「うちで取れたコメ」を何度かごちそうになったし、地方出身者は「田舎からコメ(や野菜も)が送られてくる」というのも珍しくない。

そして、日本の地方では兼業農家が珍しくありません(つまり収入源が2つある)。そして農業に定年はなく会社を定年後も農業で一定の収入があることが、先に紹介した「賃金」は最下位じゃないのに、「県民一人当たり所得」にすると最下位になるひとつの要因だと思います(あと、企業所得の低さ)。

また農家はまず自分たちで食べる分を確保するので、その分の出費も抑えられます。しかし、沖縄、特に本島中南部では都市部のように多くの方が食べるすべてのものを「購入」していると思います。
→さらに下段に追加データ

しかし!統計的には沖縄は「食」への支出が小さめです。これを見て「沖縄は食費が安い」という方がいますが、そうではないでしょう。
「食費を削っている」、というのが実感ではないでしょうか?

土や海といった「1次産業」から離れると絶対に必要な「食」の下支えがなくなり「所得減・出費増」となります
これもまた、同程度の所得の県と比べて「貧困」を感じさせる要因ではないかと私は思います。

⇒明治の文化人は欧米の言葉に適切な文字を当てて感心することが多いのですが、「貧困」も「貧しい」と「困っている」がセットです。
現金がなくても人は生きていけますが、住居と食の不足は生死に直結します。沖縄の「貧困」の本質が分かるかと思います。


【データで気付く。意外と!】
ところで”那覇”がどのくらい”街”になったか気づいていますか?

「那覇の人口、約30万人です」って言うと・・・
ちょっとデータを知っている方なら「あまり大きくない街だね」
しかし日本各地を実際に歩いている方なら「えっ?30万人しかいないの?」と言います。

一見逆の反応でも、共通点は「面積」のデータがない事。
海外の「都市を見る統計」で一般的な、人口密度が含まれたデータを見ると違います。
日本にもちゃんとデータはあります。左から人口、面積、人口密度。
『ちょっとレベルをあげた分析の入り口』

那覇の人口密度、全国60位・・・別に高くない?
いやいやその上にある市町村見てください。巨大都圏の市町村ばかりです!

さらに浦添市82位、宜野湾市98位。参考までに名古屋市は68位、福岡市は109位です。
言うまでもなく、本島中南部の人口は増え続けています。

もう一度、今度は面積を見てください

東京や大阪を除けば100万都市の多くは沖縄の中南部と同程度、もしくはそれ以上の大きさがあります。
また日本では車で1時間圏内は一つの都市圏とみなされるので、本島中南部は一つの「120万都市」と言えます。

東西1,000Km、南北400Kmという広大な県域、しかし145万県民の8割が一つの都市圏(那覇都市圏)に住んでいる沖縄は人口重心がかなり偏っている、かなり特殊な構造の県なんです。

この都市の規模なら鉄道どころか、地下鉄があってもおかしくはないのですが、JRも安い”公営交通”もありません。

さらに掘り込んで考えなければいけないのは、沖縄は利用価値の高い平坦地に基地があること。

倉庫用地の不足も沖縄の深い課題ですが(これも輸送コストに跳ね返ります)港湾周辺の土地は?
”港”は良質な倉庫もセットでないと発展できません。


【勘違いしないでほしいのは】
私は「だからしょうがない」と開き直ったり、「〇〇が悪い」と責任転嫁するつもりはありません(偉大な先人も言っています。下段で紹介します)。

解決方法もあると思います。

土地がない場合はタテに積むのが基本です。ハワイのワイキキが美しいのは「建ぺい率」「容積率(ようせきりつ)」という建物の制限で街並みをコントロールしているからです。(参考→「沖縄建設論壇13巻」)

那覇と同じく、空港が近く高さ制限があった福岡市は変えました。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/shisei/20150226.html

また「利益は東京の会社が吸い上げている」という方もいますが、沖縄だけの課題ではありません。
それどころか、例えば九州だと東京・大阪の会社だけではなく、福岡の会社とも競合しています。
ぜひ地方に行った際にはコンビニにある「求人情報誌」を手に取り、売っているコメをて見てください。


【とはいえ】
東京市場でウチナーのゴーヤーはどうしたって千葉や埼玉産のゴーヤ価格で勝負はできません。
牛も「肥育(←調べてね。対義語は「繁殖」です)」が難しい(難しい理由も調べてみてください)。

だから輸送に有利な(精製後、腐らず重量当たりの単価が高い)サトウキビが大切で、だから(消費者が来てくれるので輸送費がかからない)観光に力を入れなければならないのです。
→サトウキビと他の農作物との関税も比較してみてください。そしてなぜ各国が「砂糖」を重視するかも。国際政治の世界です。

また輸送費がかからない「データ」で産業を興そうと、20年前からの取り組み、3万人ほどの雇用も生まれています。

また沖縄電力の送電エリアは広大で(電気の輸送にもコストはかかります)、小規模火力発電は高コストなので、「日本一電気料金が高い」といわれていましたが、その差は小さくなり、移転してきた工場もあります。

交通問題についても、ようやく・少しづつですがコミュニティバスが出てきました。
バス停や料金も考えなければいけませんが、120万都市として本島中南部の住民が「考え方」を変えることも必要です。
観光客がいなくても、県民が動けば渋滞することも、この一年で再確認されました。
原因を外に求めるだけでなく、私たち自身の課題もしっかり考えないと。

【そろそろ、まとめ】
まだまだ、「沖縄経済」について、知って欲しいことは色々ありますが、話がどこまでも広がってしまうので、話を「貧困」戻しましょう。

所得がさほど変わらない他県と比べて生活費が高い(離島はさらに高い)。「生活コスト」を下げて自由に使えるお金(可処分所得・かしょぶんしょとく)を増やす必要があるということです。

例えば、あと3~5万円程自由に使えるお金が増えたら、生活感はどう変わるでしょう?

また、所得配分の差も沖縄は大きいといわれています。

「言われています」というのはデータを教えてもらうことはありますが、詳細なデータは見たことがありません。しかし予感させるデータはあります。

県が発表している「市町村別所得統計」を探して。見てください。これも複数のデータを並べたり・重ねて(「クロスする」と言います)見ると、驚きます。
これは本当に面白いから自分で見つけて見てください。

サービス業は特に所得の配分差が大きくなりがちです。
「ウチの店舗は全国でもトップクラスの売上なのに、賃金は下の方。おかしい」といった声や「”管理職”と言っても給与もあまり変わらず、責任だけ大きくなって、上(経営層)との差が大きいのがイヤになる」という話を取材で何度か聞きました。

↑この点と先に紹介した”都市”であることは”貧困”を考えるうえで非常に重要なポイントです。
なぜなら、古い経済学では貧困とは収入の問題でしたが、人間にとって貧困とは比較の問題だからです。
当たり前の事なんですが、最近ようやく日が当たった分野ですのでネットで調べてみてください。

優れた研究者は、20年以上も前から沖縄のこうした労働や賃金の構造がやがて日本全国に広がることを予見し、それが労働意欲や経営にどう影響するかを注視してきました。
日本の経済的な停滞はいくら何でも「バブルの後遺症」というには長すぎるでしょう。

「豊かさとは何か?」とか、思想ベースの抽象的な議論ではなく、こうした問題をちゃんと検証する必要があると思います。客観的に、具体的に。

例えば「量から質へ」もスローガンとしては良いと思いますが。市場経済は「量」や「規模」で担保されている部分が以前よりむしろ広がっていると思います。
行き詰まりの目先を変えるために、安易なスローガンに乗ってしまうのは心配です(もちろん質を上げるのは超重要です。私が言いたいのは「長さと重さを比べてはいけない」ということです)。

繰り返しになりますが、部分的な「小話」に終始するのではなく、経済構造をいくらか見直し、分配を調整する必要があると思います(個人的には政権が検討しているといわれる最低賃金の引き上げに非常に興味があります)。

経済とはお金の流れの話。お金の流れは人の意識を巻き込みながら、つながっています。


【沖縄は沖縄】
大都市並みの人口密度と生活コスト、公的サービスの遅れ、再分配の問題(賃金格差)という問題が「変わらずにある」ことをご理解いただけたと思います。

「沖縄の発展」というと、シンガポール(と以前は香港)との比較が沖縄ではよくされてきました。
シンガポールは「開発独裁」ともいわれる手法で、私が訪れた5年前は、すでに世界有数の港があるのに「倍にする」と埋め立てをしていました。

そこと肩を並べようなんて現実的なんでしょうか?私たちが望むところでしょうか?
自然や文化、水など、シンガポールや香港に自慢できる部分をいくつか上げるのは簡単です。

参考までにシンガポールも香港も、「住宅供給」「交通網の整備」は行政の重要課題で、行政報には「今年度の住宅供給〇万個予定。相場の安定に努めます」などとあります。

「交通問題の解決」は道を作るだけでなく、公共交通機関の話が中心です。
「島」として見習うなら、まずそこではないでしょうか?

【この先は?】
いろいろ課題はありますが、沖縄の未来は明るいと思います。
気休めではありません。現実に基づいた予測です。

沖縄はに人間に一番必要な海と太陽が無限と言えるほどあり(近い将来、送電コスト無しのエネルギーに代わる可能性も!)、なにより一番大切な”ヒト”が増えている!多様性を受け止める力もある。

客観的に見て沖縄の貧困の原因は”根深い”とまでは言えず、正しく対処すれば解決できるものだと思います。航空燃油税の低減後、観光客が増えたように。


【最後に】
県外の人にいつも自慢しているのは全国展開している大手スーパーの沖縄統括者の一言。
2011年の東日本大震災の後、設置された募金箱について「沖縄の募金額の多さに、驚いている」という言葉。

お金を稼ぐことも大切ですが、「お金の力」に負けず、この考え方はしっかり残していくのはさらに大切な事だと思います。



【さらに興味ある方へ】
◇復帰50周年も近いので・・・「屋良朝苗復帰式典での挨拶」抜粋
「沖縄県民にとって、復帰は強い願望であり、正しい要求でありました。また、復帰とは、沖縄県民にとってみずからの運命を開拓し、歴史を創造する世紀の大事業でもあります。その意味におきまして、私ども自体が先ず自主主体性を堅持してこれらの問題の解決に対処し、一方においては、沖縄がその歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除して県民福祉の確立を至上の目的とし、平和で、いまより豊かでより安定した、希望のもてる新しい県づくりに全力をあげる決意であります。」
 RBCに音声が残っていますが、少し違うような・・・直前に原稿に鉛筆入れたのでしょうか?

◇『貧困の終焉』 J.サックス
今回は都道府県ごとのデータを使っていますが、那覇と大東島、札幌と礼文島、京都市内と舞鶴の経済構造が違うように「地域」で考えるのが言うまでもなく基本です。その社会経済分析の基本的な考え方が記されています。

◇『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 M.ウェーバー
よく引用、無意識孫引きされている考え方ですが、ちゃんと読めば拡大解釈されてしまっていることが分かります。ウェーバーはかなり慎重に言葉を選んでいます。


◇福岡市の『天神ビックバン』。政令指定都市の福岡市は「県」並みの権限があり、那覇市と比べてはいけません。
ポイントは、下にあるトライアングルの構図です。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/shisei/20150226.html

◇沖縄はいろいろ極端ですが住宅はやはり・・・(↓ 大きなデータですのでパソコンで開いて下さい)
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf

◇コメの「消費量」と紹介されることが多いのですが、実際には「購入量」です
https://todo-ran.com/t/kiji/11798
「おコメどころ」でも都市が大きい所は購入量が多いのが面白いですね。
→沖縄の農業産出額や土地利用統計(農地面積の推移)などを参照

◇10年ほど前ですが「観光客が1000万人来たら水が不足する」と大真面目に言う方がいました。
しかし、近年断水はありません。ダムはいくらか増えたこともありますが、単純に「数え方」の問題でもあります。
ヒント:「一日あたり」「水源」「用途分類」・・・水一つとっても”簡単”ではなく、いくつものデータが必要なんです

◇よく引き合いに出される「一人当たり県民所得」の”最新”のデータ”をご存じでしょうか?数字だけではない”統計”が見えてきます。

◇国税とは何か?税も種類があり、見えるものが違うんです。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a01.htm
  


Posted by 比嘉俊次 at 13:29Comments(3)仕事の話

2020年04月19日

10万円を受け取ったほうがいい!と、思う理由





国が決めた一律10万円の給付について、麻生財務大臣が「手を挙げた人だけ」とおっしゃっています。
「私は受け取らない」という考えもあっていいと思います。が、決断するその前に!
ちょっと私の考えを聞いてください。もちろん、不同意、反対意見結構です。

◇使い道はあなたが選べる
受けとならければ、そのお金は国が使い方を決めることになります。
自分の生活のために使ってもいいし、余裕がある人は『寄付』や『買って支援』をしたほうがいいのでは?

なぜならー

◇状況を完全に把握している人はいない
大げさでなしに誰もが「未体験」のこの状況。国や県、市町村がすべてを把握できるわけがありません。
こんな状況でも一生懸命、とんでもない緊張感の中で知恵も絞っている働く人やボランティアの人たちがいます。
私は資本主義国家の自立した市民として、いまは税金の一部を返していただき、自分で使い道を選びたい。

それにー

◇おそらく最速の経済対策
マスクの配達がもう始まっているように、「一律」というのは最も単純なので早い(はず)。
それに、例えば「期間限定で消費税0」より”お金が回る”という点で現金給付が効果的だと思います。

ちなみにー

◇私のプラン
ちょっと贅沢にご近所の「お持ち帰り」を買い、いくらか子ども支援に追加の寄付。
で、収束したら県内のホテルにディナー付きで泊る。ヒコーキにも乗りたい!
・・・と、なんかワクワクしちゃうのも、今、現金給付を手にする”良さ”かと(下世話でスミマセン)。
6人家族で60万円給付だと、家族会議で外に出なくなると思うし。

と、私は思うわけです。だから、沖縄の人たちには10万円を受け取り、考えて使ってほしいと。
BtoCのサービス業中心の沖縄は感染者数に関わらず、影響がとりわけ深い。
これはマクロの「経済」の話ではなく、今日・明日の「暮らし」や「社会」の話です。

もちろん、「国に任せたほうがいい」という考え方も、否定しないと重ねて申し上げておきます。


【余談】
「お金が回るのが大切」なのですが、「お金」とは厳密にはコインやお札のことではありません。
現状では10万円の給付がいつになるか、ウイルスの収束がいつになるのか、見えていないので
債権、わかりやすく言うと「沖縄前売り券」を販売すれば、外出できない今でも「お金」を回せると思います。

10%以上価値を上乗せし、公共団体が裏書きをしてくれれば、全国の方も喜んで、安心して買えるのですが
さらに”医療関係者特別割引”とか、この状況下、特別に汗流している人たちにはプレミアムを上乗せしたいね


【近況】
119日ぶりのログイン。最近はFBばかりですみません!
なんかWindowsだからなのか、写真の位置決めがとても難しくて・・・

rbcも勤務調整やら時差出勤やらで、とにかく生活リズムが狂いまくりで
日曜も6時半に目が覚めたから、画像加工やってみたけど、
文字がずれているね・・・老眼入って来て見えにくいのでご容赦ください。

あと、社内を移動するごとに「消毒」関所があるので手がかぶれてのもツライ

  


Posted by 比嘉俊次 at 12:28Comments(5)日記

2019年12月21日

クリプレまだの方

レオーニのネズミたち

  クリスマスのプレゼントまだの方
 レオ・レオーニの本どうでしょうか?

  って話を何年か前の子どもの日の前にUP
 しましたが、最近おいてるとこ増えたので再び

  うちの母親が絵本が好きで100冊以上ありましたが
 一番良かったのが左の「フレデリック」です
 
 ちょっとかわったネズミの話
 
  
 これと、真ん中の「おんがくネズミ ジェラルディン」を読むと
「スイミー」の本当の意味が分かると思います。ぜひお子たちに読み聞かせてほしい!

一番右の「アレクサンダとぜんまいねずみ」と「どうするティリー」がイラストは秀逸

「季節が四つでよかったね。一つ減ったらどうなることか。一つ増えたらどうるなることか」
「うなぎ・・・顔を見るころには しっぽを忘れているほど ながい」
何度読んでも谷川俊太郎の訳文の素晴らしさも魅力的です

レオ・レオーニって「スイミー」以外、知らない人多かったけど
3年ほど前から版権の管理者がかわったのか、急にフレデリックのグッズが増えた

沖縄でも大川家具で「フレデリック」と「ティリー」のポスター売ってたので額縁と購入
日本でもネットなどでカレンダーやマグカップなどいろいろ手に入るようになりました

うさぎとか「あおくん」とかもあるけど、とにかく
レオーニはねすみキャラが多い。来年ネズミ年だしどうでしょう?

あと、イラストで行くとズデネック・ミレルね
「世界で一番お金持ちのすずめ(文はエドアルド・ペチシカ)」と
「もぐら自動車」がうちにありました

特に「もぐら」はTVでなんとなく見覚えあるかも・・・

では、次の更新は2020年のねずみ年になってからです。よいお年を!
  


Posted by 比嘉俊次 at 22:33Comments(2)日記

2019年06月08日

スクープ投稿

 お願いがあります。
RBCでは『スクープ投稿』といって、身近な珍しい現象や、事件や事故の写真や動画があれば投稿をお願いしています

アンドロイドでもiPhoneでも「RBCアプリ」をスマホにダウンロードしていただければ、簡単にできます

で、お願いのポイントは「できれば横で撮って」ってこと。特に若い人は縦撮りが多いんですよね

でも、気が付いたら自分も縦で撮っているみたいな話なんですが

100均行って、お菓子だけで2千円越えって、さすがにマズイぞオレって思って写真取りました
食べたごはん写真撮ってダイエット、みたいな効果を期待しています

以前はチョコ中心だったけど、最近は小麦粉系が増えてきていることを発見・・・今頃だけど

妻の影響かな?って人のせいにするから改善しないんだろうな・・・

  


Posted by 比嘉俊次 at 16:43Comments(6)

2019年05月01日

平成の思い出


平成の大晦日のお参りしてきました

 で、令和になったので半年ぶりの更新

 いろいろあったけど、沖縄全体でみると
平成は歴史上もっとよかったんじゃない?と
思えるぐらい

 いや、平成が始まりでこれからだと思うけど

サミットとか甲子園の優勝とかいろいろ重なったけど、「安室」みたいな人が出てくるかだね

放送業界では令和のアクセントが、頭高か平板か、議論があるけど
もちろん決めるのは放送局じゃなくて、世の中がどっちに落ち着くか

「昭和」は最初。頭高もあったらしけど、ほぼ平板型に落ち着いた
一般に、頭高だと固有感が強く、なじむと平板に近づいていくようだけど・・・
結局、どっちも残ると思う

21世紀に入って「標準語」アクセント以外も広く市民権を得てるから
特に西日本の人がTVでお国アクセント(=東京的には「なまり」)を隠さなくなった
いいことだと思う。日本って広い国だし、歴史もあるんだから。多様性こそが”先進国”の証

ところで、平成の31年余りで、生活面で一番変わったのは
携帯、スマホ、SNSによるコミュニケーションの変化。匿名だと急に”声”が大きくなる人がいたりね
実はネット上で匿名ってないんだけど

でも個人的には食事。納豆を食べるようになった
日本人が魚より肉(牛・豚・鶏)を食べるなったし
世界中の人が寿司を食べるようになったのが平成

まだ自分が小学生だった昭和60年ごろ、父親が那覇のダイエー
買ってきた納豆を(当時はそこいらの店に売ってなかった)
家族でおそるおそる開けて、あまりの臭さに驚いたのを覚えている

食べ物が変わるってよっぽどだよね

平成4年だったか、ホテルで働いていた頃、東北のおばさま方に
「沖縄人、毎日、豚とか牛肉肉食べてるってホント!?」って
めちゃくちゃ不思議がられたのが忘れらなれない平成の思い出

そのころ、日本全体では肉の倍ほど魚が消費されているのを知って驚いた
沖縄で漁師以外で肉より魚を食べている家庭なんてどのくらいあったか

同じぐらいウソしょでしょ感満載で聞かれた
「ゴーヤーって本当に沖縄の人食べるの」って方が素直に理解できたのに
今じゃゴーヤーってコンビニ弁当にもなってすっかり全国区

令和の時代こそゴーヤーより絶対先に理解されると思った
ヘチマが来ると予想・・・  


Posted by 比嘉俊次 at 21:31Comments(5)日記

2018年10月12日

あちこち断線

4か月ぶりの更新・・・なかなか空いちゃいましたね。
ご存知の通り私の仕事のメインはアナウンサーではなく、
記者・ディレクターで、9月で担当していた番組が終了しました
おかげさまで視聴率も上出来で、沖縄の役に立った番組だったともいます
(スタッフロールはあまり見ないと思いますけど・・・)

で、一息ついたと思ったら台風24号と25号!
沖縄の建物は台風仕様なので、他県や外国ほどの被害は出ていませんが停電だよね
うちもまる1日停電しましたが、最長5日の停電って・・・食料はもちろん情報まで遮断されて困るよね

で、やっぱりおかしいと思うのは、これだけの「災害」なのに、公的支援がほぼナシってこと
停電で水も止まって、家で生活できずに避難所に避難した人が食料確保に困っているときいて
「えっ、そうなの!?」と驚きました

一部のホテルが風呂を提供したり、
もしかしたら一部の市町村では非常食の提供などを行ったかもしれませんが
毎年台風来るんだから標準化してほしいよね

地震や津波はいつ来るかわからないけど、毎年来る台風に対応できてないなんて・・・
電線地中化も進められているけど、お金がかかるし、
地震などでトンネルが崩れると復旧により手間がかかるなど課題もあるようです

電線自体は台風の風圧にも耐えるそうですが
ビニールや枝がひっかかると負荷が何倍にもなって切れたり
時には電柱が折れるそうなので、
(電柱は車が衝突しても折れないのですが・・・)
まずは自分が停電の原因を作らないよう対策もしなきゃだね

あと、アパートのアンテナが破損したらしくTVもよく止まる
不動産会社に電話しても「アンテナ品薄でしばらくは・・・」とのこと困るね

で、不思議なのはうちのアパートに引き込まれていた電線が
引きちぎれたままだけど・・・影響なし
電話も通じるんだよね。何だろうこの線?

※相変わらずうちのPCと相性が悪く
読みにくい配置になっていますがご了承ください・・・
  


Posted by 比嘉俊次 at 09:54Comments(1)日記

2018年06月03日

特殊千円札✕2

特殊千円札✕2
模様替えをしていると古い筆箱発見。アイスクリームの当りとコインに混じって、夏目漱石の千円札が2枚

学生時代、アルバイト(社員扱いにしてもらっていましたが)していたホテルを退職するときに、先輩メイドのお二人(Aさん、Zさん)
から「せんべつ」でもらったもの

先輩メイドと言っても大先輩で、極秘情報だと年齢は65歳ぐらいだった・・・ようです

今でも思い出すのは、腹へってまかないが我慢できずに厨房を覗いていたら(正確には「催促に行ったら」)、Aさんが「きょうはストゥーよ」と
「ストゥー?」 「そうストゥー」
「ストゥー・・・、ストゥーって何ですか?」 「比嘉くん!ストゥー知らないの?」
「食べたことないですね・・・。フランス料理ですか?さすがホテル。まかない料理まで高級そうですね」と楽しみにしていたら、出てきたのがパッと見、「ホワイトシチュー(つまり普通のシチュー)」。食べても「シチュー」だけど・・・

失礼かなと思いながらもシェフに「シチューに似てますね・・・」とたずねたら、メイドのお二人は「シチューって何ね?。あんた本当にストゥー食べたことなかったの?」と

見ていたシェフは爆笑。そう「ストゥー=シチュー」なんです。コザのホテルだから。アイスワーラー(←冷水のことね)とか言ってたし

・・・国木田独歩の「武蔵野」って短編集を思い出しました。初めてニュース読んだ日のこととか覚えてないのに、人間って、こういうコトをどうしてだか忘れないんですね
ストゥーにはご飯入れて食べてましたが、「リゾット」という言葉を知ったのは1年後。ストゥー+ご飯は発見だと思ったのに

で、ホテル退職時、そのお二人から「今日までって知らなかったから、袋も用意しないでごめんね」ともらって、そのまま
不思議だね、この千円札はどこかで使えば、フツーの一昔前の千円札だけど、自分にはいろいろ思い出す特殊な千円札。使えないよね。RBCの最初の給料は何に使ったかも全然覚えてないのに

あ、ホテル経由の千円札だから、日本中旅してきたかもしれない。Nツアーで東北のお客さん意外と多かったし。もっといろいろ知ってる千円札かも。何を見てきたか、話を聞けたら面白いね

100円は海洋博コイン。昭和の頃はフツーにお釣りでもらえたけど、すっかり見かけなくなったね

追記:
どういうわけか、ブログの投稿が消えたり、文字が入れられなかったり、どんどん投稿が難しくなってます。更新遅くてスミマセン・・・
  


Posted by 比嘉俊次 at 11:48Comments(3)日記

2018年04月01日

年度末の大掃除 というよ…



年度末の大掃除
というよりは半年に一度の本の処分…

処分と言っても売るんだけど、ほとんどが買った値段の10分の1にもならない
「捨てるよりはいい、誰かが読んでくれれば!」と思っててもやっぱり二重にツライ
きょうは自分が定価の85%offで売った本が定価の八割で売ってるのを見てしまったぁぁっ

で、売ったお金が入ると買っちゃうし。最近の新刊はハウツーとかまとめ系、ネガディブマインドあふれるタイトルが平積みされてることが多いけど、古本屋さんはいい本率高い。捨てずに誰かに読んで欲しいと思える本、なのかな

でもでも10冊と1冊を引き換えてるようで、なんか、なんか…わかる?
「せめて、きょうは買わずに帰る」とマンガコーナーで査定時間潰してたら懐かしのAKIRAが!でもマンガ全巻揃えると高いし、置く場所ないし
ジョジョの奇妙な冒険もシリーズ3までしか知らないけど、まだ続いているらしいね。気になる…

本を売らなくていい家が欲しい…いや、持ち込み図書館作ってくれたらいいのに!  


Posted by 比嘉俊次 at 23:13Comments(2)日記

2018年03月05日

まだあった!意外と他にも?

牧港Port サラリーマン生活、ずーーっとバス通勤なので
「わった―バス党」の名誉党員になっています

 いろいろと路線バスバス改善のため
意見を出したりしていますが・・・今頃気づきました
牧港がMakiminato Portになっていることに!

バス通勤の一番良い所は本を読んだり眠ったりに
通勤時間を使えること、なので見てなかった

首里城はSyuri CastleではなくSyurijyo Castleと表記するのはいいと思うけど
Makiminato Protは違うよな・・・意外とこんな表記まだあるかも。言っとかなきゃ

 「公共交通機関」として、利便性の向上だけでなく、社会インフラとして 
バス停にライトと防犯カメラ、観光案内所につながるモニターとカメラを整備してほしい
と要望していますが、今のところライトがついただけ

 要望はソーラーパネルにして、観光客がケータイの充電ができるといい
旅先のグーグルマップはバッテリー食うでしょ。災害時に県民も使えるし

 それ以前に、ライカム角の「比嘉西原」なんていつも乗る人がいるのに、未だに野ざらし
照明なしで、そんな所に人を立たせておくなんて!

 でも、時間を調整したり運転手さんも気持ちのいい人が増えて、応援しがいあるよ!
いろいろ声かけてもらったり、面白いことがあったりするしね

でも一番の課題は「安く」だよね。名護-那覇間高速バスで300円とかだといい

LRTとか電車で1時間だとして、モノレールから推計して運賃2千円ぐらい?
久茂地から沖縄自動車道で1時間20分だよ。普通車1020円で通勤割は半額
駅で降りて後は? 歩き?タクシー? 駅を増やすと車と時間が変わらなくなるし

 ”自分はマイカー”って人が公共交通機関を議論すると上滑り感がある
自分も毎日乗っていていながら表示がおかしいことに気づかなかったんだけど
  


Posted by 比嘉俊次 at 19:47Comments(0)日記

2018年01月20日

明けましておめでとう!

 開けましておめでとうございます・・・いまさら?

今年は暦通りの天候というか冷え込み具合(最低13度=沖縄的真冬)、しとしと雨とまさに「沖縄の冬」という感じですね 

相変わらずバス通勤していますが、最近は外国人観光客が乗ってくることも増えました
この間、トランクケース持った台湾人らしき人が乗ってきたけど、優先ステッカーの席しか空いてなかったので、ずっと立っていた
台湾は電車の席の優先順位のマナーは徹底しているから、座っちゃいけないと思ったみたい。目が合ったから「座ってもオッケー」とかやったけど伝わらないし・・・

一方で「外国人観光客のマナーが・・・」言っている人が、コンビニのレジで指差しだけで買い物して「ありがとう」どころか「どうも」ぐらいも言わないとか・・・那覇のコンビニのレジはネパールの人が多いけど、どう思っているんだろう?
日本語が十分に通じないことに不便を感じることもあるかもしれないけど、南米やハワイに渡ったウチナーンチュを思えば気持ちも違ってくるんじゃないか

海外に行ったら、現地の常識がわからず言葉も通じず、迷惑をかけてしまうのは避けられない
久茂地のコンビニでは外国人客が外国人の店員にお互い不慣れな日本語や英語で会話にトライしている

観光立県と言っているけど、県民の観光に対する意識は薄い。裾野が広く深く浸透する経済効果、地域文化への貢献など最高の産業だと思うけど、県内マスコミの関心も薄く取材できる記者も限られている

もったいないと思う。異文化は異視点で発見の連続
写真は夜の残波岬。取材した中国人観光客に「もったいない、あんなにキレイなのになんで見に行かないの?」と言われて行ってみたら確かにその通りだった。百回以上行っているけど、夜に行ってみようとは考えたことすらなかった
  


Posted by 比嘉俊次 at 12:22Comments(0)日記

2017年11月30日

初めてゴーヤー味に感動・・・

もちっ娘 みなさんゴーヤー好きですか?

私は苦手です。ヘチマは好きだけど

だから食堂でゴーヤーチャンプルーとか頼んだことないし、自分で作ったこともない。もちろんスイーツとかにある「ゴーヤー味」とかも「うーん・・・」って感じ

でも、これはゴーヤー味がイチオシ!!

SNSで話題の『琉球もちっ娘バナナ』のジュース。取材してきました

ジュースと言ってもシェイクなんですが、プレーンは甘くておいしい。これで十分

だけどいるでしょ?「騙されたと思って飲んでみ」とか言う人。なんでオレが騙されなきゃいけんのよ、と思いながら「やっぱり騙された・・・」的なパターンが多いけど、これは裏切られた感じ

例の「どうだ!苦くてうまいだろ!」みたいなゴーヤーの叫びがなくて、もちっこのフンワリした甘さにいい感じでアクセントを付けてくれているみたいな

問題はね・・・スマホのナビ検索しないとたどり着けない

お宝探し気分で「南城市 ちゅらび」で検索して下さい。トロピカルファームってでてくるから

ちなみにココア味はおいしいけど、ココアだね。バナナの良さまで覆うので、プレーンか、ゴーヤー味を!

  


Posted by 比嘉俊次 at 13:07Comments(3)日記

2017年09月24日

スゴい人たち

安室奈美恵さん引退・・・驚きだよね
何年か前にも書いたと思うけど、偉人だと思う。県民栄誉賞どろころじゃない

今、40代以上のウチナーンチュにとっては本当にインパクトがある人。アムロの前と後とでは全国的に見た「沖縄」のメジャー感が全然変わっちゃったから

「アムロ前」はTVなどで「北海道から鹿児島まで日本全国・・・」という表現が時々あったんですよ、ホントに
本土の大学や企業に行った人から「沖縄出身って言ったら『いいな』って言われるようになった」と聞いて当時は驚いた

本人はことさら「沖縄」を出したりしないけどリンクしてて(北海道と沖縄は必ず出身地が強調されるからね)、単なる「南の島・沖縄」や「ビーチリゾート」から、ライフスタイル自体が認めてもらえるようになったと思う
もちろん、その前に首里城の復元とか、その後のNHKの朝ドラ「ちゅらさん」とかあったけど、時代を変えたというか作ったのは「アムロ」だよね

大学生の頃、ホテルでバイトしていると「ゴーヤーっていうの?あれほんとに食べるの?」とか「沖縄の人、豚の足食べるって本当?」とか聞かれていたからね。今ではゴーヤーは全国で栽培されているし、豚の足は世界中で食べられていることに気づいたみたいだし

そして日本、というかアジアの女性のファッションというかライフスタイルを変えたしね
同じく今年引退のゴルフの藍ちゃんといい、カッコよすぎる

男性でも、例えば具志堅用高さんなんかボクシング会場で見ると全然違うからね。どこの国体だったか忘れたけど、あんまり寒くもない日に白いロングコートを肩に引っ掛けて会場に入ってきた
試合の最中なのに歓声が消えて自然と道が開いて、その真中を肩で風きって歩いてリングサイドの一番いい席を譲られると、軽く周囲に会釈して腰を下ろした。当たり前に。リング上の選手も試合中なのにスーミーしてるし
13連続防衛の世界チャンピオンなんだよね。2階から見てたけど、正直「カッコイイ!」と思うより、持っている空気の鋭さに本当に唸ってしまった
あの日以来、具志堅さんにツッコミ入れる芸人はスゴイなと思うようになった。芸人やっている人なら、隠しきれない「殺気」が漂う瞬間を感じると思う。カメラ回っていても常人にはムリ

で、自分はと言うと20年TVに出てるけど・・・まあ、雇用問題を中心とした経済問題や墓地の在り方とかの社会問題に一石を投じたかな?と思える部分もあるけど、空気感なし。隣でぜんざい食べてても気づかれない
でも、家族や妻に面倒な思いをさせてはいるね。家を覗かれたり、ヘンな電話が来たり、嫌味言われたり、ネットに個人情報書き込む人もいるし、日々家族は迷惑していると思うけど、それに見合う成果はというと・・・「お前もがんばれ」って話ですね
  


Posted by 比嘉俊次 at 19:00Comments(7)日記

2017年07月01日

過ぎ去った未来を振り返って 久々の更新、長めに書きました

  ご無沙汰しております

半年ぶりの更新・・・大祓の茅の輪で今年も半分が終わったことを実感。40歳を過ぎると時間の流れに特に驚きもなくなる
意外と気づいていない人多いけど、私、夕方のニュース20年やってるんですよ

「20年前」って小学生なら「昔」、高校生でも「いつの話?」って感じだよね

一方で「思ったほど人生も長くないな」と思ったりするけど、逆が多数派かな?
いくつまで生きるかという想定次第ではありますが

自分で自分のことはよくわからないけど、落ち着いて周囲を見渡すと月日の流れを感じる
でも、ドラえもんやドラゴンボールが現役だったり、10年前の古いブログが簡単にみられる時代でもあり、流れが速いのか遅いのかわからない

5年ぐらい前から『過ぎ去った未来』って意識するようになった。あんなに大騒ぎした世紀末もフツーの年末だったし、バックトゥザフューチャーの未来も過去になって、もうすぐブレードランナーの未来も過去になる
明るい未来、暗い未来、いろいろあるけど基本何も変わっていないような・・・もちろんスマホとか出てきたけど、人間の生活や考えることは変わってないって意味ね

歴史の授業を受けていた頃は人類は進歩していると思ったけど、そうでもないなと思うことも最近多い。数千年前に書かれたバベルの塔の世界が繰り返されている

もちろん、1000年前より人類はいろいろな恐怖から解放され、なにかと幸せなはずだけど・・・どうしたって不平等や不平・不満はなくなりそうもないね
それを探し出す本能が人間にはあるから、改善があるともいえるけど、つまり世の中には楽しくない時間や部分がまだまだあるってこと

小学生で警察に保護(補導?)されたことがあるおまえが言うなよ、って友だちは思うだろうけど、なんというか人の意見を理解しようとしない大人が意外と多いのが今までの一番のがっかり事項かな
もっとい面白いとかラクとかいい方法があるかもしれないのに、いちいち攻撃的だと損してない?オレはとにかく「お得」って言葉に敏感に反応するけどね。絶対買うなら賞味期限間近の割引品だよ。過剰な心配や見栄は損なだけ

逆にどんどん「意外とそうなんだな」と考えが改まったのが「運」かな。特に「人との出会い」は自分の努力と同じぐらい未来を変えるんだなと、振り返って思う。そしてこれは難しい
「なんでもっと早く会えなかったのか・・・」とか思う時もあったりするけど、意外と後で「結局、良かったんだな」と好転したりもするから「縁」ってよくわからない
つまりは、思うようにならないから、あきらめもつくし「ありがたい」という夏目漱石の「猫」の気持ちがよくわかるようになった
宝くじとは結局ご縁がなさそうだと薄々気づてもきたけど、まあいいかなと思えてきた・・・と「遠慮してみたら当たるかも」と期待する、浅はかな欲からは相変わらず逃れられませんが

あ、写真の話を忘れていました。神社の「大祓(おおはらえ)」ですが、行ったことあります?
これはまじめに「ご利益」のためじゃなくて、特定の宗教でなくても「神様がいる」となると、いいろいろ変わってくると思います
残念ながら人を不幸にする宗教団体(これは人間が作ったものの話)もあるようなので、選択は常に自己責任、ご注意を!


という感じで、あまり更新しないのでダラダラとではありますが、ちょっと長めに書いてみましたが、近況はFaceBookにUPしています(と言っても週一程度ですが)
以前もお伝えしたように、ここ数年、パソコンとの相性が悪いのか、更新エラーが多いんだよね
どっちにしろFBでも誤字脱字は直しませんが
  


Posted by 比嘉俊次 at 16:52Comments(6)日記

2016年12月31日

いつ歴史は掘り起こされるのか

一般に「日本はなんでも拝む」と言われることがあるが
系統的には大きく分けて(山体信仰含む)磐座と樹木と言えるだろう

地域によって磐座か樹木か、大別できるらしいが、後から混淆したのか・・・
神仏習合、今日のクリスマスと日本に限らず、中国文明の成り立ちが影響しているのか、東アジアは外から入ってくるものに寛容というか、取り込むことに強い拒否感を示さないこともままある

日本の歴史は皇紀でも2676年(=西暦2016年)
卑弥呼がいた時代は中国でとっくに文字が発明され、司馬が歴史学を確立し、三国志もたいがい決着がついた時代
エジプトなんか、紀元前30世紀以上前から文字で記録が残されているのに比べると「たったそれだけ?」と思いがちだが、何万年も前から日本列島にはヒトが住んでいた

残念ながら大陸から文字を輸入する以前のことは、神話と伝承、風習、そして後に文字化された情報と幾つかの埋蔵品に頼るしかない

神話や伝承、文字情報は後の権力者によって改ざんされがち
風習って、埋蔵品と同じく実は非常に重要なんじゃないかと思う

国頭のアスムイ。北方からやってきたアマミキョ族が定めた聖地で、ここは巨石と巨木が守っている

でも沖縄はどちらかと言うと、磐座信仰系かな?
磐座信仰は出雲系という説もある。伊勢系との勢力争いの破れ、『国譲り』の後に南に活路を見出した(当然北に向かった一団もあるはず)出雲系諸氏が、鉄器を持って縄文系の人々の上に君臨・・・というよりやはり「優勢。指導的な地位」的な穏やかな形の和合、混交が起こったのかもしれない

出雲とさほど離れていない秋吉台には、カルスト台地(おだやかな温帯カルスト地形だが)があるが、ガジュマルはなかろう
南下する途中、屋久杉を拝むのに迷いはなかっただろうが、アマミあたりで巨大なガジュマルを信仰の対象にすべきか悩んだかもしれない

歴史学的な意味で日本の歴史は長くはない。でも、何万年も前からヒトが住んでいた。特に日本最古の釣り針は沖縄から出土している

おそらくクニ(=土地境界)という認識は農耕が広まり土地が資本的価値を持ち出したここ数千年のことでしかないはずだ
有力者が土地にヒトを括り付けて、保存食を確保可能な農業に従事させる以前はヒトは遥かに自由に島々を往来していたはずだ。世界的に見てもそれが人間の本能だし、そうでなければ物資の確保もできなかったに違いない

古墳の中はどうなっているのか、明らかにされない。邪馬台国が見つからないのは、上に大宰府があるからという人もいる。怨霊に対する「恐れ」を、「祭り上げる」ことで昇華させる日本の考え方からすると荒唐無稽とはいえないはず

沖縄もなぜかアスムイは語られない。アスムイにある石列も解明が進んでいない

ピラミッドの探索もいいが、日本列島の風習と埋葬品も精査して文字伝来以前からの深い歴史を解明してほしい  


Posted by 比嘉俊次 at 14:37Comments(3)日記

2016年10月14日

スマナイ気持ちにさせられた

20年バス通勤していますが、最近のバスは「えっ」と思うことが多い

まず写真のバスロケ。まだバグやフリーズがあるが、とても便利!ここまでは良かった

でも、同じ23番でこの種類の多さはナニ?

バスは高齢者が多いから運転手さんも乗り降りで説明しなくちゃいけないから逆に遅くなったりしてるし

特に今、試験的に夜の急行やっているけどコレが大変!
私のウチは急行の停車バス停に近いからいいけど、「対象外」の人たちは「雨のなか」「真っ暗なバス停」で次の各駅バスを「30分近く」ベンチもないので「立ったまま」待たないといけない…ありえへん
確かに10%程度早くついたけど、急行バスを見送る高齢者や塾帰りらしき女子高生を見ていると、バスに乗ってるこっちまでスマナイ気持ちになる

急行は朝は良いと思う。サービス面でも年々改善されてきている。だけど「公共交通」っていうぐらいだからスピード第一なのかな?

「急行」だとか「乗り継ぎ」だとかの改革案を見ていると鉄道を参考にしている風だけど、鉄道には風雨をしのげて明るく自販機もベンチもある「駅」がある。勝手に電車気取りされてもね

バスを日常的に使わない人の論理だと一目瞭然・・・高齢化で利用者は目に見えて増えてきている。もっと乗ってる人の目線になって欲しい

朝のバスレーン以外、バスはどうしたって自家用車より遅れる。バスは乗り合いという仕組みだから、これは仕方ない。でも逆に本が読めたり寝たりとバスにしかないよさもある

スピードや利便性を求めるなら、まずオキカを運転手がチャージしなくても済むようにして欲しい(沖縄はバスベイもなく運転手は停車中も気を使うので安心面からも良くない)コンビニチャージが待ち遠しい

南米の先進事例を取材して紹介するお金があればなぁ!  


Posted by 比嘉俊次 at 10:32Comments(8)日記

2016年08月28日

夏が終る・・・

リオ五輪が終って、台風もなんとなく過ぎていって涼しくなってきた

海は取材で行っただけ。波でカメラをぬらさないように必死に踏ん張っていてだけ
出張は日帰り、夏休みは半分、本も10冊かって3冊しか読んでない

なのに夏が終る・・・仕事忙しかった・・・ブログ更新せずにスミマセン

オリンピックもすごい盛り上がりだったけど、今年はなんと言っても母校・嘉手納高校の甲子園出場&予選突破で確かに忘れられない夏になった!

県大会の決勝で優勝が決まった後、球場にいながら校歌を全く覚えていなかったことに気がついたのもいい思い出!?

しかしチャンスに強い、派手に点を取るエキサイティングなゲーム展開で応援しがいがあった

野球部は県大会ベスト8で全校集会で報告会、テニス部は3位でもスルー・・・「野球部め!えこひいき されやがって!」と思っていたけど、水に流してやろう


あー、あとちょっとマジメ話、興味深いのがイギリスのEU離脱ね
日本の「評論家」は私が見る限り一人残らず「絶対にマイナス」「誤った選択」と言っていたが、「外交」とか「金融」でイギリスの歴史を鑑みると、「そうかな?」と自分は思っている
議会制民主主義の宗主国のリーダーたちのお手並み披露だね

5年後あたり、このブログを思い出してよ
  


Posted by 比嘉俊次 at 19:08Comments(1)日記

2016年06月27日

裏側を見てしまう


東京の築地市場、何度か言ったことがあるけどアノ雰囲気に圧されて中に入れなかった

でも「9月には移転」と聞いていたので、一泊即帰りの東京出張で、朝時間があったので「今度こそ」という気持ちで現場に行くが・・・やっぱり「じゃまだよ!」といわんばかりに横をすり抜けていく、ターレット(あの立って運転しているあれね)の運転席からの冷たい視線に圧されて中には入れない

と、入り口でどうしようかと立ち止まっていたら、外国人観光客が遠慮なくカメラ片手に奥にどんどん入っていくのでその後ろをを付いていった

四方八方から流れてくるターレットのかわし方もすぐに慣れる。そうとう注意しないといけないけど

まあ市場の中はTVで見たとおり。一般の人が入れるのは限られている場所で一番興味深かったのは集められた発泡スチロールのケース(写真)。まさに山の如し!

東京だと、自分が何者だか誰も知らないのに、ついついいつもの感覚で聞いてみると、集めれたケースは全て再利用されているとか
話してみると、忙しい中でも教えてくれる。ちょっと言葉が強く感じるけど・・・そもそも忙しい中でスミマセンなんですけどね

しかし朝8時から3千円とか4千円の寿司に50人以上の外国人客が行列作っている店があるんだけど、東京はアジアだけでなく、欧米からの観光客も多いのがさすがだね
  


Posted by 比嘉俊次 at 09:38Comments(4)仕事の話

2016年04月24日

難しいね

熊本の地震から1週間あまりが経過

発生当初の先週末に想像していたより被害・影響が拡大・長引きそう

1週間たって思うのは、やはり情報が錯綜するな、ということ
「食事がない」という情報がある一方、「あまって廃棄されている」とか・・・

情報が間違っている、というわけじゃなくて時間とともに状況は変化するし、避難所ごとに事情が違うということだと思う
しかも様々なメディアで情報が瞬時に拡散されるので「足りないと発信」となると、翌日には過剰なほどに物資が送られてくる可能性もある
逆に高齢者が多く、SNSを使う人などが少ない集落は物資が慢性的に不足気味とか

復興に向けては個人もお金が必要となってくると思うけど・・・ふるさと募金とかもあるようだけど、いろいろ考えると、やっぱり赤十字かな

なんかアヤシイ募金の話とか出てるようで、ほんと残念ですよね

そして、大分でもいろいろ地震の影響が出ているのを忘れてしまいがちなんですよね・・・  


Posted by 比嘉俊次 at 18:14Comments(1)日記

2016年04月02日

「先輩」になる皆さんへ

4月、新年度
各企業にも新人さんが入って来たと思います

優しくする、厳しくする、いろいろあると思いますが、ちゃんと育てて下さいね

覚えている方も多いと思いますが、私、新人の頃はビックリするぐらい下手でした

入社2年目になってもヘタなままで、ある日、ラジオのニュースを読んだ後、会社に電話がかかってきました
定年間近の上司が電話を取ったんですが、そのやり取りを横で聞いていて、「ニュース読むのがヘタなアナウンサーは変えろ!」という内容の電話であることはすぐに分かりました

「はい、すみません。しっかり練習させます」
「少しづつ上達はしているんですが・・・」
「もちろん本人にも伝えて自覚させます。申し訳ありませんでした」

受話器を持ってペコペコと頭を下げつづける報道部の大先輩。で、逃げたいけど、逃げるわけにもいかず、なんでここにいたのか後悔しながら立っているしかないオレ、みたいな超気まずいシーンが5分近く続いたかな・・・そして、ちょっと空気が変わってきた

「あなたに言われなくても、ちゃんと鍛えますから」
あ、先輩???ちょっと口調が荒くなってきたような・・・
「だから、こっちでちゃんと責任もって育てますって言ってるでしょ」
「聞いてたらわかるでしょ、少しずつですけどね、ちゃんと上達してますよ」
みたいなこと言って、最後には
「アナウンサーに向いているか、向いてないかは、こっちがちゃんと見極めますから、心配しないで下さい」
と言って、ガチャン!・・・受話器を投げつけるように電話を切った

ゴタゴタの原因が自分だから超気まずいのと、キレ気味の先輩が怖いので何言っていいか分からないけど、とりあえず
「すみません、オレのあれですよね・・・」と謝ったら
「お前には関係ない!お前は練習してればいいんだよ」と怒鳴られたし
で、「今日は飲みに行くから、仕事終わったら来い」と。酒飲みながら岸本や新屋敷と言った沖縄の放送史に名を残すRBCの先輩アナウンサーの失敗談を聞かせ、「みんな若い時はヘタだった」みたいな話をしてくれたけど・・・大先輩に気を使わせてしまっているのが、正直、逆にツラかった


昔の人情ドラマ見たいでしょ?20年近く前の話だからね。でもね、こんな人は放送局でも滅多にいないよ
理論的な意見やアドバイスができないのは仕方ないとしても、大多数は「あいつはヘタ」とか「視聴率が悪いのは・・・」とかそんな程度ことしか言えない
「面白さ」や「分かりやすさ」ってみんな言うけど、その正体を理解し、実現でき、さらに説明できる人=プロデューサー(作る人・育てる人)って、いつの時代も、どこの局でも貴重な存在、局の制作力を決める最重要要素なんです

ともかく、この件があってから私は心を入れ替えました

というのも実は私、もともとアナウンサー志望ではなく、そもそもアナウンス試験すら受けていません
東京で働きたくて、東京支社がある会社(RBC)に入ったのに、たまたま人事の都合でアナウンス室に配属されたので、「オレの希望を聞いてくれないから会社が悪い」とという「逃げ」があった

けど、この日から「やるしかないか」と覚悟が決まった
・・・まあホントのこと言うと、覚悟が決まるまで、まだ少しいろいろあったんですけどね

その後もヘマするたびに直属の上司に「異動させてくれ」と訴えていたけど、ある日とうとうキレて「いいかげんにしろ!黙って3年働け」と怒鳴られたし
(で、アナウンサーが黙って働けるかよ!と内心逆ギレする程度の人間なんだよねオレって)

あと、「いい加減、数字(視聴率)とってくれないと、営業も編成も困るんだけど。どうするつもり?」と先輩ディレクターに真顔で結果責任について質問されたのもオトナの怖い話・・・

アナウンサーってなかなか大変でしょ?どこの局でもこんな感じみたいよ
落ち込んで気晴らしに酒飲んでいても見知らぬ人にカラまれてバカにされたりしてさ
本当にヘタだったから何も言い返せないし。会社の中でも外でも常に評価にさらされて逃げ場ナシ
(何も言われない≒知られてない、ってのが実は最もツラいんですが)

で、私は記者も兼務してるので取材先でまた怒られるしのトホホ生活・・・
就職超氷河期じゃなければ、実家にお金があれば、会社辞めてたね。苦しかった。辞めたくてしょうがなかった

だけど、そんなこんなでアナウンサー続けられているし、取材先で「君は何もしらんなぁ」と言った人はいろいろ教えてくれるし
まあ、アナウンスの技術は今も全然二流だけど、現場行ってウラの話も教えてもらっているからニュースの意味を伝える力はハッキリと沖縄で一番だと自信があります

今思えばオレはつくづく運がいい。特に人に恵まれているとしか言いようがない
だからオレは続けれてられるんだよな・・・

それからハッキリ言ってくれる人との関係って長く続くよね
視聴率取るように言ったディレクターは、取り方の具体例を知っていたから真顔で問いかけてきたんです。そんな人なら信頼できるよね
電話の先輩は10年前に亡くなっちゃいましたけどね

しかし、教えてもらわなきゃいけない事って、次から次へと出てくるもんですね・・・取材が縁でつながった人だけじゃなく、OTVの先輩にもいまだに教えてもらっちゃってるし、しかもビールと食事をご馳走になったりしながら!ツイてます(笑)

話が長くなりましたが、つまり方法はいろいろあるとは思うけど「新人はちゃんと育てて下さい」という話

それから、最後にこれはしっかり言っておかねば・・・
あの時会社にクレームの電話した方、先輩が怒鳴っちゃってホントごめんなさい。悪いのは私です

あと、私は東京勤務の夢をまだあきらめていませんから
  


Posted by 比嘉俊次 at 12:16Comments(8)仕事の話