棚おろし

比嘉俊次

2008年01月07日 19:14

今日の記事は去年制作した36本のリポート&特番の確認です

企業でいえば「棚卸(たなおろし)」。今後も継続取材の必要がありそうな事案の防備録みたいなものなのです
なので、週末にでもご一読下さい

1月
「忘れ去られゆく戦没者」-戦後60年以上が経過し、今なお県内には4,000体分以上の遺骨が眠っているとみられる。が、発掘はNPOによって細々と行われ、運良く発掘されても誰のものかも確認されず、特に儀式が行われるわけでもなく淡々と処理されていく。「国のために命を捨てた方たちですからね 最高の扱いを受けてもらってもいいと思う 60年たとうが100年たとうが」「兄があの場所に屍のさらしたのは「愛国心」のためだったのですけど 同じ言葉がまた昨今叫ばれるようになっています 私はその風潮を大変恐ろしいと思っています」という関係者の言葉が「慰霊」とは何かを考えさせる

2月
「診療報酬改定」-国が病院に対して支払う診療報酬が改定される。主な変更点はこれまで入院患者10人に対し、看護師1人のいわゆる「10対1看護」が最高ランク(つまり診療報酬が最も多い)で多くの急性期医療(⇔慢性期療養)の病院はこれに対応していたが新基準では「7対1看護」が最高基準となる。看護師不足の中での「7対1」導入。確かに看護の質も上がり、看護師の負担減にもつながるだろうが、病院側も経営維持のため「7対1」に数字を合わせるため病床を減らす動きも。これで「医療の向上」と言えるのか?国は急性期医療を厚くし、逆に長期入院を減らそうという狙いがあるようだが・・・

3月
「大手不動産業沖縄進出」-不動産の価値向上について。おもに「形体」が及ぼす価値への影響は今後、重要度を増してくるか

4月
「雇用関連あれこれ」-高校生は県外就職増えているが、大学は顕著な変化はない。いろいろ原因はあるだろうが高校生と大学生、それぞれに求められているものが違う事が一番の原因か?
本土企業は沖縄での求人強化。待遇も「安いから沖縄」ではなく「人材」として同等の評価をするところが増えてきた。沖縄の企業はどうするの?

5月
「社員が外資を買収・沖縄バヤリースの歴史」-元々米国人経営の「外資」だったが復帰に際し売却話(⇒全員リストラ)が出てきたので社員が急きょ資金を集め会社を買収。以後、何度も倒産の危機に陥りながらも会社を全員で守ってきた。本土のバヤリースとは会社も実は味も別。それが会社の誇りというのが「復帰」というと暗い話になりがちな中で痛快な話。
カリフォルニアから送られてきた原液をちょっと舐めてみたかったな・・・

6月
「団体客に頼らない」-沖縄市のプラザハウス。ここはすごい。一時は経営の柱となっていた観光バスでやってくる団体客(約40万人)を03年からすべて「お断り」した。自動的に送られてくる客相手では店に工夫や緊張感がなくなるから、と。すごい。で、今のプラザハウスはご存じのように他にはない品ぞろえで元気だからさらに凄い。フツー経営者が社員連れて海外に買い付けに行くか?

7月
「沖縄のマグロ」-本マグロ以外のマグロの多くは日本全国の船が赤道付近などで獲っている。県外船の多くは船に冷凍施設を備え、マグロを冷凍しているが沖縄は位置的に近いため冷凍の必要がなく冷凍船は水産高校以外持っていない。つまり同じ場所で獲ったマグロを沖縄は冷凍なしで頂ける恵まれた場所。でも、旅行関係で取材するたび本土の人は「食事、特に魚がまずい(オフレコ・カメラの前ではそんなこと言いません)」という。このギャップね。流通政策を考える力がある人、あるいは東国原知事がいれば・・・もったいない

8月
「カジノ関連」-カジノの話となると善悪論になりがち(風紀が良くなるわけもないのですが・・・)ですが、私が取材の過程で得た情報では「善悪の前に、そもそも沖縄でカジノ経営は無理じゃないの」というお話。それを検証すべく条件が似た韓国・済州島へ。・・・カジノというとマカオやラスベガスなど大陸型ばかりを連想しますが「島カジノ」の現実を見た思いでした。
さらに感心したのが「日本のマカオ観光局」。これ実は会社組織が請け負っていまして日本人向けの魅力づくりからメディア対策まで一言で言うと「プロを見た」という感じです。聞けば「○○」や「○○○」など近年メジャーになった海外観光地もこの会社が請け負ったとか。私たちTV業界もいろいろ「ルール」がありますが、そこも良く分かってるんだよね。宮崎もどこかついているのか?

9月
「パチスロ5号機へ」-業界変動が・・・また取材して出せればと思います。裏話が多くて取材に応じてくれる店探しに時間がかかるんだよね。
「タクシー値上げへ」-苦戦していますね。意外と客が戻ってこない。沖縄の公共交通は結局は国の指導頼みか

10月
「沖縄の和牛」-鳥取で行われた5年に1度の「和牛オリンピック」を取材。和牛の世界の「ブランド」に驚いた。飛騨牛、格が違いすぎます。沖縄代表の「もとぶ牧場」も最高ランクA-5を出したが、値段は飛騨牛のなんと10分の1。なぜかを社長とじっくり分析してさらにがっかり。ブランド作るってのも仕組みが大変だ。ブランドは一日にして成らず、か。7月のマグロと並んでモノはいいのに・・・。東国原知事のポスターの前で写真を撮る山陰の人々を見てやっぱり思った。「東国原知事ぐらいTVを使える人がいれば・・・(東国原知事、星野ジャパンに宮崎牛をTVカメラの前で贈呈していました。ちなみに宮崎牛は和牛の世界では飛騨牛などに続く上位ブランドです)」。残念ながらTVの特性を理解して上手に使える人って中々いないんですよね。ま、もっとも広告塔は最後のひと押しに過ぎず、その前の根回し力からして違いすぎるんですが。沖縄の和牛も頑張っているのに・・・

11月
「雇用問題」-実は経済以外に担当があるので去年は雇用のリポートが4回ほどしかできていない。就業者数が増えないことを懸念。今後、労働力人口も大きく増えないだろうから失業率は良くなっていくだろうが、就業者が減る→税収が減る、なので道州制を見据えた場合も不安。沖縄もフツーの地方になったのか?なぜなら金利(経済の重要指標)も本土並みに下がったし、労働力も都会に吸収されるようになってきた。そうなると、他の地方のように「行ってみたら話が違う」というのも表面化してきた。これに対応して求人誌などには表示を考えるところも出てきた

12月
「豚肉などの値上げ」-原油は一体どこまで上がるのか。実需と離れてい動いているし、政治情勢によってさらに大きく動くし・・・だれも予測できません
「建築基準法の改正」-教育や出版社など直接建設と関係のないところにまで広がり。いろいろ問題があるのが建設業界です。いまはそれ以上は・・・
「那覇市資源ゴミ持ち去り禁止条例」-古紙の値段が5年前のゼロから去年はkg2円、今年は16円(業者によって違いあり)に。それに比例して個人で資源ゴミとして出された古紙を持ち去る人が増えて、那覇市の回収量が減少。すべて回収できれば4億以上にはなるとみられ、これは那覇市の貴重な収入になるので那覇市は資源ゴミの持ち去りをkんじる条例を12月議会で可決した。しかし「それは困る」という人がいるので取材。集めた古紙でホームレスの方たちに炊き出しをしているNPOグループだった・・・活動は今後どうなるのか

以上
沖縄もいろんなニュースがありましたね
どれもあまり聞かない話だと思いますが、重要だと思いませんか?
今年も「ライブi」で上記のようなニュースを取り上げていきます

世の中、簡単にああだこうだとは言えない難しい事が多い
私は「視聴者に考えてもらう」というのが非常に重要だと思っていますので、どうぞ今年もこのブログを通してご意見・情報をお寄せ下さい

関連記事