後生と現世の関係は?
すみません、先週おばーが亡くなって、あと台風やらでご無沙汰しておりました
おばーは97歳。大往生と言っていいと思いますが一つだけ心配が。おじーは戦争で亡くなっているが、戦争に行ったのは75年も前だ…あの世で、この年の差はどうなるのか?
自分から見ると、おばーは最初から最後まで「おばー」だけど、若い頃はちょっと有名な美人だったと周囲のおじさんたちから何度か聞かされた
たしかに今思えば畑仕事ばかりしていたのに色白で、鼻の高いキリッとした感じの顔だ。スラリとしてスタイルもいい。
働き手のおじーが死んで「カネがなくてイヤな思いも恥ずかしい思いもしたけど、かあちゃん(おばー)が美人だったのが唯一ウチの自慢だった」と聞いたこともある。
自分の親、兄弟についている「俊」の字はおばー譲りだ。「おばー譲り」って、「なんとなくカッコイイ」と子どもの頃から思っていた
本当にいろんな人に「あんたのおばーは、昔はね・・・」と聞かされたぐらいだから、再婚の話もあったと思うけど、おばーは結局再婚しなかった
そういえば「気が強かった」という話を聞いたこともある。あの時代、女手一つで男三人育てたんだから、気を張ってなきゃやってられなかったのは分かる。人から借りた畑を耕し、野菜を売って歩いてという生活…
孫の自分から見ても「クール」だったと思う。箸の持ち方から厳しかったし、数学で「5」を取ろうが校内陸上で優勝しようが、「上等、またがんばれよ」とニッコリする程度で、喜怒哀楽が激しかった記憶は全くない
だいたい、おばーは自分の事をほとんど話さなかったし、おじーや戦争・戦後のことは何度か聞いたけどついに一度も話してくれなかった
おばーが百年近い自分の人生をどう思っていたか分からない。ただ「最後に会いたい人はいるか?」と聞いたとき「旦那さんに会いたい」と言ったそうだ…おばーがそんな事を言うなんて、本当に意外だった。「旦那」・・・「おじー」じゃないんだ。男と女。そりゃそうだよな
おじーが戦争に行った時、おばーは23歳だったそうだ。それから75年、ずーーーっとそれを考えていたのかもしれないと思うと「長生きおつかれさま」なのか・・・孫としては「ありがとう」以外に言葉は見つからない
おばーもおじーもキッチリ義務を果たした。「遅れてきた花嫁」とならないで欲しい。おカネがなくても、一番キレイだった頃の姿であの世に行けて、無事な姿のおじーと会えなきゃ納得できない